新型コロナウイルスが依然猛威を振るい在宅勤務が中心の方も多い中、眼精疲労に悩む人が目立ちます。
また、スマートフォンの普及で眼のトラブルを訴える若年層も目立つといいます。
体全体に影響が出る眼精疲労に悩む人も珍しくありません。
そもそも人類の眼は近くを見るように設計されていないと言います。
かつては遠くにいる外敵や食物をいち早く発見するため重要だった目の役割が、現代では近くのものを
みる機会が主になっています。
私たちがものを見るとき、目ではカメラのレンズのように働く水晶体の厚さを毛様体筋という筋肉によって変え
ピントを調節しています。
近い画面を見続けていると、毛様体筋が収縮して厚くなり、緊張状態が続きます。
疲れ目はこの毛様体筋の働きが鈍くなってしまう状態です。
眼が乾いたり涙が出る、やがあて目の奥に痛みを感じる眼精疲労が出てしまうと厄介です。
放置すると頭痛に加え、首や肩、背中のこりに痛み、吐き気、さらには自律神経失調症や軽度のうつ症状に
発展することもあります。
早めに眼科などを受診することが重要ですが、日常生活で予防策を講じることができます。
パソコン作業中でも10分に1回は室内でピントが合うギリギリの距離を1~2秒見ることです。
遠近の切り替えで毛様体筋を動かすことができます。
また、眼球を上下・左右・回転運動をさせる体操も効果的です。1日に2回、午前と午後の習慣にすれば
毛様体金の柔軟性を保てます。
蒸しタオルをまぶたにあてて血行を良くする、目の周辺にツボを押すといった方法も有効です。
ドライアイでつらい場合は市販の目薬を併用してもよいですが、長く使うなら防腐剤や血管収縮剤の成分が
入っていないものがベターです。
また、合わない眼鏡を使い続けるのも眼精疲労の原因になります。
遠くがはっきり見えることだけ考えられてつくられた眼鏡では、パソコン作業など近くを見るときの
ピント調節で過度に負担がかかることになります。眼鏡を適切なものに交換しただけでも眼精疲労は
大きく改善します。複数の眼鏡を日常生活や車の運転、仕事・読書など場面に合わせて使い分けるのも手です。
眼の健康を保つには生活習慣も重要です。十分な睡眠、バランスの良い食事、作業時の姿勢なども
気を配りたいものです。