台風が近づくにつれ体調不良が始まる、梅雨の時期にはなんとなく頭や節々が痛くなる、、
このような症状を近年「天気痛」と呼ばれているのをご存じでしょうか？

天気の変化で起きる頭痛、体調不良などは「天気痛」「気象病」などと呼ばれ、
正式な病名ではいのですが、片頭痛や肩こり、関節リウマチなどの慢性痛が、
気圧の変化を受けて悪化した状態を示します。
天気痛に悩む人は全国で1000万人以上いるとされます。

この体調不良の一因は自律神経の乱れです。
気圧が変わると自律神経のうち交感神経が興奮し、血管が縮んで血行が悪化します。
そうすると体内の酸素や栄養素が不足し、痛みを引き起こす物質が出ます。

症状が出た時、少しでも緩和したい時はどうすればよいのでしょうか。
気圧の変化をとらえる内耳のケアがカギを握ります。
内耳の循環が悪くリンパ液がたまってむくむと、気圧の変化に敏感になり頭痛につながりやすくなります。
そこで耳周りをマッサージすると血液やリンパ液の循環がよくなり、頭痛を抑えられます。

天気予報を確かめ、事前に薬を飲むのもよいです。
漢方の「五苓散」には体内の無駄な水分を取り除く作用があり、内耳のむくみ解消を期待できます。
貧血や冷えを伴うときは「当帰芍薬散（とうきしゃくやくさん）」がよいです。
漢方治療は血の巡りをよくして水分のバランスを整える働きがあり、原因の根本に近いところで
作用するため有用だと考えられています。
またストレスも自律神経の働きを狂わせます。ぬるめのお湯でゆっくり入浴し、リラックスして精神面を
整えることも症状を緩和してくれます。

この「天気痛」が幅広く知られるにつれ、発症リスクを予測するサービスも登場しています。
ウェザーニューズはスマホアプリやウェブサイト上の天気予報サービスで、
気圧や気温などの気象情報をもとに「天気痛予報」を公開しています。
「頭痛ーる」というアプリは、頭痛の原因となる気圧の変動などを予測して警告をしてくれます。
頭痛の傾向を気象情報と合わせて記録できる機能もあるそうです。

「天気痛」と思いきや、まれに深刻な病気がかくれていることがあります。
いつもと違う不調と感じたときには、病院を受診するようにしてください。また、心配なことが
ありましたら、遠慮せず医師や薬剤師に相談するようにしてください。

「天気痛」とうまく付き合い、少しでも心地よく過ごせる時間が増えるといいですね。