【対談まとめ】小島葬儀店×磯子区のお店

(左より)松本裕子さん、小島葬儀店の内藤さんご夫婦
大切な人との思い出を、香りで紡ぐ。
磯子区で長年地域に寄り添ってきた小島葬儀店と、アロマケアで人々の心と体を癒す「松本裕子のよりそいアロマケア教室&サロン ラ・ミニョン・ベリー」。
2024年11月初旬、小島葬儀店で開催された「ミツロウクリーム作り」のワークショップには、赤ちゃんを連れた方も含め6名が参加。会場に漂う優しい香りに包まれながら、心温まる時間が紡がれました。
本記事では、葬儀とアロマケアという異なる分野から人々に寄り添ってきた二者が見つめる、新しい供養の形をご紹介します。

「アロマは単なる香りではありません。一人ひとりの体調や心に寄り添うものです」と語る松本さん。16年にわたる実母の在宅介護という経験から、アロマケアの世界へ。現在は介護施設への訪問ケアや、サロンでの施術、アロマセラピストの育成など、幅広い活動を展開しています。

昭和初期の創業以来、磯子区で地域に寄り添い続ける葬儀社。現在は代表の内藤さんが先代から引き継いだ「地域に寄り添う」精神を大切に、家族経営で葬儀社を営んでいます。今回のイベントには、経営に携わる奥様も一般参加者として加わり、利用者目線での新しい供養の形を一緒に考えます。
▼これまでの小島葬儀店の対談はこちら
──今回のワークショップでは、アロマの基礎から丁寧に教えられたそうですね。
松本さん:
はい。アロマセラピーについて、まず基礎知識からお話しました。香りには3つの効果があります。気管から入って全身を巡るコース、皮膚の毛穴を通して全身に巡っていくコース、そして香りを嗅ぐことで脳に刺激を与えるコース。この日は特に、冬の乾燥対策として、保湿や抗炎症作用の天然成分を使ったミツロウクリーム作りに挑戦していただきました。

── 実際に参加された内藤さんの奥様はいかがでしたか?
内藤さんの奥様(小島葬儀店):
ただ作るだけでなく、一つ一つの素材の意味を理解した上でクリームを作れることに、すごく魅力を感じました。事前に先生が準備してくださったパンフレットで、アロマの基礎知識から教えていただけたのも良かったですね。
参加された方の中には1歳くらいの赤ちゃんもいらっしゃったんですが、会場に入った瞬間からぐっすり寝ていて。やはり、天然の香りには心を落ち着かせる力があるのだなと実感しました。

イベント参加者との集合写真

松本さん:
母の介護がきっかけでした。母は63歳という若さで脳梗塞になってしまい、1日で歩けなくなり、話すこともできなくなってしって。
当時、小学生の子どもが3人いて、介護と子育てのダブルケアの状態。正直、絶望を感じる日々でした。

松本さん:
そんな時に出会ったのがアロマです。自宅で簡単にでき、母も私も心が落ち着きました。
訪問介護のヘルパーさんや、看護師さん、在宅医療の先生方も、私が作ったクリームやジェルを使ってくださったんです。
その中で、訪問看護の管理者の方から「うちの訪問看護でアロマを教えてくれない?」というお話をいただいて。考えてみれば、あの介護の経験があったからこそ、今の活動につながっているのかなと感じています。16年という長い介護の道のりでしたが、アロマのおかげで心の居場所ができました。

内藤さん(小島葬儀店):
松本さんのお話を聞いていて、僕が思っていた以上に共通点を感じました。僕自身も葬儀という仕事に救われた一人なんです。だからこそ、お葬式を単なる儀式としてではなく、悲しみの中から前を向くきっかけにしていただきたいと思っています。

内藤さん(小島葬儀店):
現代の供養を取り巻く環境は変化してきています。例えば、マンションなどの集合住宅では、お線香を焚けない場合も増えてきています。
そこで、仏壇の前に置いてあるクリームやアロマを、手を合わせる時のきっかけにしていただく。自分の手元から香る優しい香りとともに、故人を偲んでいただくという形もありそうです。

内藤さん(小島葬儀店):
また納棺の際、故人様のお着替えを済ませ、アルコールで身を清める儀式があります。その際に、今日作ったようなクリームを使っていただく。そのクリームをご遺族にお渡しすることで、香りを通じた新しい形見となる。そんな可能性を感じています。

松本さん:
施設でアロマケアをしていて、香りには大きな力があると感じています。認知症の方でも、毎月の訪問を重ねていくうちに「この香り、知ってる」と記憶に残っていたりします。香りが持つ「記憶に残す力」を、供養の場面でも活かせたらと思います。

内藤さんの奥様(小島葬儀店):
実際に今回のワークショップに参加して、お客様の目線で新しい可能性を感じました。
例えば控室での活用です。葬儀までの時間、早く来られる方も多いんです。待ち時間に「今日はこの香りで過ごしてみませんか」と提案することで、少しでも心安らかな時間を過ごしていただけたらと思います。

お線香とアロマ。古くから日本の供養文化で大切にされてきた香りと、西洋から伝わった癒しの香り。
一見異なる文化から生まれた二つの香りが、人々の心に寄り添い、故人を偲ぶ新しい形を作り出そうとしています。
今回の対談で印象的だったのは、お二人の「寄り添う」という想いの深さです。松本さんは母の介護という経験から、内藤さんはご自身が葬儀に救われた経験から、それぞれの道を選ばれました。そして今、アロマと供養という異なる分野で、人々の心に寄り添う活動を続けています。
納棺の儀式での活用や、控室での香りの提供など、具体的な提案も生まれました。これからも、磯子区・金沢区の地で、両者のコラボレーションから目が離せません。
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次回のイベントについては、小島葬儀店のSNSや当サイトでお知らせいたしますので、ぜひチェックしてみてください。
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。