事業内容は食品流通に関する包装用品。

「包装材料は、軽・重に分かれるが、当社は軽包装材になります」と平野社長。

販促グッズも並ぶ重包装は段ボールやセメント袋で、軽包装はスーパーのトレイや折箱といった食品関係が主。オリマツの取扱うアイテムは3万点を超える。豊富な品ぞろえは栄町のショップで見ることができる。

「スタート時は、折箱製造が100％で社内生産でしたが、現在は5％ほどで、ほとんどの商品は仕入商品となり食品包装の卸売業となりました」

食品包装は日々進歩している。1950年代半ばにスーパーマーケットが現れ、大量販売・大量消費の時代に突入、急速に近代化が進んだ。ひとつひとつ手で包んでいたのでは間に合わない、店頭に置く前からあらかじめ機械で包装しておくプリパッケージの必要に迫られ、包装材もプラスチック、フィルムなどの素材に変わっていった。現在の日本の包装技術は世界の最高水準に達している。

同社の特色は、その事業内容に「販促ツールの企画製作」が加わっていること。

「お客さまから販促の相談を頂き、助言を差し上げているうちに、気が付いたら営業部はコンサルティング集団になっていました」と笑う。

他店と差をつけるパッケージ、季節ごとに見栄えを一新したいなどのパッケージアドバイスを提供するとともに、成功事例集も作成した。栄町の店舗にのぼり旗、提灯、看板などの販促材料も用意した。

「市場情報や成功事例も、日頃からアンテナを張り巡らせておくことが大事。月に1回、成功事例発表会を開いて、毎回2人ほど発表しています」

コンサルタント料金は発生しないサービスであるが、長期的にみるとこれが固定客の確保に繋がっている。

「この業界は伸びてはいないが減少しているわけでもありません。そういう中で重要なのは、商品に付加価値を与えることです。それが販促ツールの企画製作でありコンサルティングなのです」

2007年に物流センターが東神奈川にオープン、念願の在庫の一元管理が実現した。

2階建て、延べ面積600坪、これで包装材料の卸売とロジスティックの両面を備えた企業となった。物流センターの車は50台（自家用）という体制である。

「在庫を保管するスペースがないユーザーもおられるので、倉庫代わりにお預かりすることができるようになったことも評価していただいています」

現在の体制は、本社営業部と相模原営業所。店舗は横浜中央市場本場、南部市場、

相模原市場の3ヵ所とそれをサポートする物流センター。

2017年に創業110年を迎えるオリマツであるが、今後の事業展開は、「さらにコンサルティング事業に力を入れて、顧客満足度を向上させたい」と平野社長。

「創業の精神は『役立ち』の心です。『役立ち』を心のよりどころとして、誠実に創業の精神を全うしていきたい。それが社員の物心両面の幸せにつながるのだと思います」

企業理念は「人々に喜んでもらう仕事をする」、「利益を出し続ける会社にする」、「全社員が人生の勝ち組になる」。

「祖父が創業者で、父が2代目」という3代目の平野社長。後継者は「すでに育っているので安心しています」と微笑んだ。