地元暮らしをちょっぴり楽しくするようなオリジナル情報なら、横浜市神奈川区の地域情報サイト「まいぷれ」!
文字サイズ文字を小さくする文字を大きくする

横浜市神奈川区の地域情報サイト「まいぷれ」横浜市神奈川区

企業訪問

株式会社依田儀一商店

ドローンで構造物診断

2015/06/15

 株式会社依田儀一商店は、52年にわたり横浜市瀬谷区において生コン製造業を展開してきた。その一方でRMCソリューション事業も手掛けるようになり、2013年に生コン部門を営業譲渡、RMCソリューション事業に軸足を移した。
売上の9割を占めていた生コン部門を切り離したことについて、依田健一専務取締役は次のように語る。「要因の一つに事業継承問題があった、社員に継いでもらうことも考えたが、生コン業界の10年、20年先を考えると、専業生コン社にとって難しい時代が来ると思い、その人にとって事業継承が本当に幸せなのだろうか、という疑問が湧く。そこで業績の良いうちに生コン事業を大手資本の会社に営業譲渡することにした。RMCソリューション事業は将来性のあるビジネスで、これからが楽しみだ」
 RMCソリューション事業の中でユニークなのは、RCマルチコプター(いわゆるドローン)を使ったビジネス。今年1月に立ち上げたばかりだが、すでに多くの引き合いがあるという。
 また、6月4日に国土交通省主催で開催されたわが国初のドローンの競技会、「EE東北‘15UAV競技会」で同社(参加名:チームYODA)が総合技術部門で優勝したことでさらに拍車がかかった。この競技は、ドローンを使って構造物の空撮、計測技術を競い、所定時間内でプレゼンを行うというもの。「優勝したことにより自分たちも自信がもてクライアント様の信頼度も高まった」(依田専務)。
 同社では業務用大型ドローンに外壁診断専用赤外線サーモグラフィカメラを搭載し、構造物やインフラ設備の耐久性、メガソーラーの点検、またガンマー線による除染後の測定といった特殊ニーズにも対応すべく準備を進めている。
さらに、空撮写真からデジタルオルソーにて測量や3D化も可能である、ドローン技術により今まで難しかった上空からの写真が簡単に撮れることで建物全体の3D化や寸法が計測でき、mm単位でCADデーターまで作れるのも面白い技術である。
 RCマルチコプターは、レンタル、販売にも対応しており、取扱いの講習も受講できる。
 昨今、ドローンの規制が論議されているが、「規制は我々にとってフォローの風だ。ドローン・ビジネスは10兆円産業と言われているように、将来性のある事業であるが、免許制になればビジネス形態が確立しやすくなる」(依田専務)と語る。
 また、経営コンサルティングも業務のひとつ。生コン中小企業を対象に、利益保証型コンサルティングサービスを立ちだしたが、「利益保証なんて信じられない、という反応しかない」ということで、コンサル業務については問い合わせすらない状況だ。
 ソリューションとは「問題解決」のことであるが、それには、ユーザーのニーズ、課題の把握、そして提言が必要だ。その一例が、「このようなことができないか、という相談を受けて、ドローンを使った構造物診断を開発した。これにより、これまで足場を組んで非破壊検査を行っていたのが、足場を組む必要がなくなり、短時間で初期診断が終わるので大幅なコストダウンになる」
 また、コンクリート舗装の曲げ強度試験は、型枠の重さが試験業務の大きな負担になっていたが、これも同社が販売している空圧式プラスチック計量型枠により10キロ未満の軽量化を実現、これによりコンクリート舗装の強度試験の負担を軽減、コンクリート舗装普及に弾みがつくものと期待されている(7月に試作完成予定)。
 今後は「診断業務に携われるスタッフの育成と、集合住宅診断の全国展開に向けた各地区の拠点づくり(フランチャイズ制にするかなどの方法は検討中)が課題」としている。
(写真はマルチコプターを使った集合住宅の調査診断)

http://yodagiichi.com/
依田健一専務取締役
依田健一専務取締役