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企業訪問

神奈川県古書籍商業協同組合

新形態で新規参入も

2015/05/27

神奈川県古書籍商業協同組合(石原信理事長)は神奈川県115の古書販売業者で組織されている組合である。
「115の組合員のうち4割の方が店舗をもって経営されており、多くの方はインターネットを利用したウェブで販売されています」(石原理事長)
古書販売、いわゆる古本屋は定年後のセカンドライフとして一時はブームになったこともあるが、最近は撤退・廃業が目立つ。「かつては大学周辺に古本屋はつきものだったが、最近ではあまり見られなくなった」と石原理事長。ある古書店経営者は「学生がスマホを見ながら店を素通りしていく。活字離れが顕著だ」と語る。
それでも古本屋ファンはいるし、店を後継者に譲れるよう継続させたいという思いに同組合は応えるため、毎月セミナーを開催している。現在は「古本屋さんになるには」をテーマに4,5月は「買い上げ」について開いている。
4月のセミナーには10名が出席、東京、千葉の県外業者も参加した。参加者の多くはウェブを利用した販売で、デパート等で「古書まつり」などの催事による販売をされている組合員もおられた。
買い上げは古書店の重要な仕事のひとつ。お客の持ち込みを買い上げ、交換会に持ち寄る「入札」(市場)を組合では月曜、金曜に行っている(東京では月~金に開いている)。
そこで幾らの値をつけるかが難しいところだが、自らの経験則やアマゾンの相場をもとに値段を入れている(再入札で値を上げたり下げたりできる)。本は10冊程度を紐で結わいたもので、この中に1冊欲しいものがあれば10冊抱えることになる。そういうシステムにしないと在庫を消化できないからだろう。出物にバラツキはあるものの、入札に失敗したネット販売業者は在庫を抱えていないため、その週は売り物がなくなることになる。中には買い上げに失敗して逆ザヤになることもあるという。「そういう授業料を払って一人前の古本屋になっていく」とある組合員は語る。
古書といっても、一般の本だけでなく、版画、和本等が出品されることもある。市場には古本以外に、レコード、焼き物(皿など)、プラモデルなども持ち込まれる。「古物商の資格ですから、衣類なども販売できますが、そこはお店の裁量に任せています」
「古書店は減少傾向にあり、その仕事だけで食べていくのは難しくなっているが、以前よりも販売のチャンネルが増えている(日本の古本屋、アマゾン)ので、新しくネット販売で起業され、入会する方も増加している」(石原理事長)と語っていた。
5月29日のセミナーは値付け、6月26日は「古本屋さんの一日」をテーマにしている。
(写真:セミナーの模擬交換会会場)
   神奈川県古書籍商業協同組合 ホームページ       
                  http://kosho.saloon.jp/